進撃の巨人考察 壁の外のまとめ

2020年12月6日より、ついにTVアニメ「進撃の巨人」ファイナルシーズンが放送スタートとなりましたが、マーレ・エルディアなど、これまでの「進撃の巨人」とは別世界のような戦争描写に、困惑されている方も多いのではないでしょうか。

こちらの記事では、新章となる「マーレ編」の世界情勢や歴史、新たな登場人物から用語まで、詳しく解説していきます。

「進撃の巨人」マーレ編の解説まとめ


●「進撃の巨人」アニメ全シリーズのあらすじダイジェスト

「進撃の巨人」ファイナルシーズン第1話から始まる物語は、原作コミックスでは第23巻の新章「マーレ編(第23巻91話「海の向こう側」~)」からの内容となり、エレン達が海に辿り着いたアニメシーズン3 最終回から約3年後の時系列となります。

そのため、主人公のエレンやミカサ、アルミンたちは登場せず、作品の世界観や登場人物までもが一新したため、これはいつどこで誰の世界線なのか、戸惑ってしまったのではないでしょうか。

マーレとパラディ島の地図

原作コミックスに掲載された当初も、読者の間で大きく話題となりましたが、新章となった「マーレ編」は、エレンたちパラディ島を脅かしていた、ライナー・ベルトルト・アニ・ジーク、そしてエレンの父グリシャらの”故郷”となる「マーレ国」が新たな舞台となり、物語が進行していきます。

そうしたことから、これまでの「壁の中の人類」の物語から「壁の外の人類」の物語へと場面転換されており、今後「人間同士の戦い」を描いていく上での、敵側の視点が描かれていきます。

そんな敵側の世界の一国「マーレ」とはどのような国なのか、世界背景や歴史から見ていきましょう。

「壁の外の世界」とは?マーレとエルディアの歴史

壁の外の文明

「壁の外の世界」マーレの文明社会

  • 写真
  • 飛空艇
  • 煙草
  • 軍事船、軍事飛行機

「壁の外の世界」では、古代大国マーレ、エルディア帝国の二大勢力のほか、マーレと戦争をしていた中東連合国や、友好国のヒィズル国など、様々な世界の国々が登場してきます。

背景に描かれている、飛行船や写真・車や軍艦などといった、これまでパラディ島に存在しなかった文化や様式から、19世紀後半の時代設定ではないかとされています。

公式ガイドブック「進撃の巨人 キャラクター名鑑(2017年発売)」での作者インタビューでは、「(マーレ編は)100年ほど前の現実を模した世界」だと語られています。

さらに、マーレとエルディアは、どのような歴史を辿ってきたのか、時系列で見ていきましょう。

マーレとエルディアの歴史(時系列)

エルディア帝国の勃興

ユミル・フリッツ

始祖ユミル・フリッツが「巨人の力」を手に入れる

  • 今を遡ること1800年以上昔、エルディア人の始祖「ユミル・フリッツ」は「大地の悪魔」と契約し、巨人の力を手に入れる
  • 始祖ユミルは、巨人の力で荒れ地を耕し、道を造り橋を架け国を豊かにし、エルディア人に富をもたらします

民族浄化

マーレはエルディア帝国に弾圧される

  • エルディア帝国を築いたユミルの巨人の力は、死後「九つの巨人」に分けられ、古代の大国マーレを滅ぼし大陸の支配者となった
  • 以降、巨人になる力を持った「ユミルの民(=エルディア人)」は、およそ1700年間にわたり他民族を弾圧・征服し民族浄化を続けた
マーレがクーデターを転覆
「巨人大戦」が勃発し、エルディア人は離散する
「巨人大戦」が勃発 エルディア帝国は崩壊

  • 1700年の後、増長したエルディア帝国は、マーレによる内部工作を許し誘発された内戦の末、弱体化する
  • 「九つの巨人」の内、「七つの巨人」を手中に収めたマーレは、100年ほど前の「巨人大戦」に勝利しエルディアを打倒する
  • 他の巨人すべてを支配し操ることのできる「始祖の巨人」を継承しながらも、戦うことを放棄した145代目エルディア王「フリッツ」は、一部の国民を引き連れて辺境の「パラディ島」に三重の壁を築き籠城する
  • 大陸に踏み留まり取り残されたエルディア人は、マーレ収容区に隔離されマーレの圧政下に置かれた
全話の年表はこちら

世界では古代の大国マーレが大陸の支配者でしたが、始祖ユミルが「巨人の力」を手に入れたことでエルディア帝国が築かれ、死後も「九つの巨人」に魂を分け1700年もの間他民族を弾圧・征服し民族浄化を続けたとされています。

マーレがクーデターを引き起こし「巨人大戦」が勃発したことでエルディア帝国は崩壊し、敗北したエルディア帝国の145代フリッツ王は、パラディ島に三重の壁を作り、一部のエルディア人を引き連れて逃げ込みます。

そのため、大陸に取り残されたエルディア人は、マーレ国では「悪魔の民族」と迫害を受け、巨人兵器として利用されされながらも、世界に「善良なエルディア人」だと認めてもらうため、マーレに忠誠を誓い償っています。

「進撃の巨人」はパラディ島の「壁の中の世界」から始まった物語でしたが、「壁の外の世界」に人類は存在しており、世界は殺戮の歴史を繰り返していることが分かります。

「九つの巨人」と「七つの巨人」とは?
「九つの巨人」とは、始祖の巨人であるユミル・フリッツが死後、9つに魂を分けた巨人のこと。後にマーレ国が仕掛けた内部工作による内戦にて、「七つの巨人」をマーレ国が手中に収めていいます。

● マーレが所有する巨人:超大型巨人・鎧の巨人・女型の巨人・顎の巨人・車力の巨人・獣の巨人
「九つの巨人」の正体一覧はこちら

【マーレ編】マーレとエルディアの現在

マーレとパラディ島の地図

 マーレ側の主な時系列

845年 「パラディ島 始祖奪還作戦」を実行
目的:「始祖の巨人」の奪還→失敗
鎧の巨人と超大型巨人が、パラディ島のシガンシナ区を攻撃、ライナー・ベルトルト・アニが約5年間侵入する
850年 「ウォール・マリア奪還戦(パラディ島・シガンシナ区)」を実行
目的:「始祖の巨人」の奪還→失敗
マーレが所有する七つの巨人の内、超大型巨人・女型の巨人(アニは地下牢に拘束中(第8巻参照))を失う
851年 壁内側パラディ島の巨人は一掃され、調査兵団は海へ辿り着く
854年 【現在】マーレ国、敵対する中東連合国と4年にわたり戦争
スラバ要塞戦にて勝利を収める

戦争の原因:9年前から開始された「パラディ島 始祖奪還計画」が失敗し、超大型巨人と女型の巨人を失ったことから、軍事力が低下したと見なされ戦争となった

ファイナルシーズンの第1話(60話「海の向こう側」)では、エレンたちパラディ島とは敵対する、ライナーたちの故郷「マーレ国」が新たな物語の舞台となり、戦場の描写から始まります。

これは時系列で854年の、4年にわたる中東連合国との戦争の最中の場面であり、エレンたちが海に辿り着いたシーズン3最終回から~約3年後の物語となります。

これまで「巨人兵力」を盾に世界を侵略してきたマーレ国でしたが、この中東連合国との戦争から、「巨人兵器」を上回る「対巨人兵器」が登場したことで、今後マーレの国力を維持できなくなる可能性が明るみとなります。

さらにマーレの国力が低下することで、「巨人兵力」として利用するため生かされていた「エルディア人の存続」も戦術価値を失い、民族存亡の危機と相成ります。

このように「マーレ編」では、大陸に残存するエルディア人であるライナーたちの視点で物語が進行し、これまで知られていなかった「パラディ島への侵入」の裏側や、ジークの真の目的、世界情勢なども描かれていきます。

主人公のエレンやミカサ、アルミンたちパラディ勢が、その間どうなっているのかも明らかとなってきますので、今後の展開に注視していきましょう。

先の展開が知りたい方はこちら

マーレが「始祖の巨人」を狙うのはなぜ?

資源争奪戦の時代に対応するべく、パラディ島に埋蔵されている莫大な化石燃料を確保するためです。
ですが「始祖の巨人」を宿すフリッツ王は、「今後パラディ島に干渉した場合、壁の巨人が世界を踏み鳴らす」と警告していることから、マーレは「始祖の巨人」を奪還してパラディ島を制圧しようと考えています。
「九つの巨人」の正体一覧はこちら

「マーレ編」に登場する新キャラクター

エルディア人

 エルディア人とは?
エルディア人とは、ユミル・フリッツを祖とした巨人になれる人種で、ユミルの民とエルディア人は同じ民族となります。
エルディア人は、かつて大陸を支配していましたが、「巨人大戦」によってマーレ国に敗北後は、パラディ島の壁の中へ逃げ込んだエルディア人と、マーレ国に取り残され収容区で暮らすエルディア人に分かれます。

そのため、マーレに残存するエルディア人は、パラディ島のエルディア人のことを「島の悪魔」と呼んでいます。

 ※「エルディア人」とは「ユミルの民」と同じ民族の人種(呼び方が異なるだけ)で、「巨人になれる民族」と覚えておきましょう

「マーレ編」では、物語の舞台とともに登場人物も一新となり、新たなキャラクターが登場しています。

「マーレ編」で登場するのは、主にマーレ国のマーレ人、マーレ国の収容区で暮らすエルディア人が中心となり展開していきますので、こちらもチェックしておきましょう。

マーレの戦士

ジーク・イェーガー(エレンの兄)
ジーク戦士長
所属
マーレの戦士・戦士長
九つの巨人
所有:獣の巨人
声優
子安武人
マーレの戦士長。グリシャの息子で、エレンの義母兄。
ライナー・ブラウン
ライナー・ブラウン
所属
マーレの戦士
九つの巨人
所有:鎧の巨人
声優
細谷佳正
戦士隊隊長。「始祖奪還作戦」でパラディ島潜入から戻った唯一の帰還者。
ピーク・フィンガー
ピーク・フィンガー
所属
マーレの戦士
九つの巨人
所有:車力の巨人
声優
沼倉愛美
長期戦の四足歩行が可能な「車力の巨人」を有する。判断力に定評がある。
ポルコ・ガリアード
ポルコガリアード
所属
マーレの戦士
九つの巨人
顎の巨人
声優
増田俊樹
「鎧の巨人」の継承者争いや、兄マルセルの死を巡り、ライナーとは確執がある。

マーレ陸軍

マガト隊長
テオ・マガト
所属
マーレ陸軍・戦士隊隊長
声優
斎藤次郎
マーレ戦士隊の隊長。エルディア人の部隊を率いているマーレ人。

戦士候補生

ガビ・ブラウン
ガビブラウン
所属
マーレ・戦士候補生
声優
佐倉綾音
ライナーの従兄弟で「鎧の巨人」の継承を目指している、戦士候補生。天真爛漫で大胆不敵な一面を持つ。
ファルコ・グライス
ファルコグライス
所属
マーレ・戦士候補生
声優
花江夏樹
ガビに好意も持ち、彼女を守りたいがため、彼女と同じく「鎧の巨人」の継承を志す。
コルト・グライス
コルトグライス
所属
マーレ・戦士候補生
声優
松風雅也
ファルコの兄。戦士候補生の中で最年長のリーダー格。「獣の巨人」の継承候補者とされている。
ゾフィア
ゾフィア
所属
マーレ・戦士候補生
声優
川島悠美
ガビとは対照的に、クールで大人びた印象を与えるが、時折とぼけた発言をする少女。
ウド
ウド
所属
マーレ・戦士候補生
声優
村瀬歩
眼鏡の大人しそうな少年だが、興奮すると悪態をつく一面もある。外国の言葉を解する。
キャラクター一覧はこちら

「マーレ編」の新たな用語まとめ

『マーレ編』の新たな用語

  • エルディア人/ユミルの民
  • 巨人大戦
  • 始祖の巨人
  • 民族浄化
  • パラディ島/楽園
  • マーレの戦士/名誉マーレ人
  • レベリオ収容区

エルディア人/ユミルの民

ユミル・フリッツ

ユミル・フリッツを祖とし、「巨人の力」によってかつて大陸を支配した民族。
ユミルの民=フリッツ王家=エルディア人は同じ民族のことを示します。

『巨人大戦』で敗北したエルディア民族は、エレンたち壁の中の人類、マーレ国に残された非マーレ派のエルディア人に分かれており、マーレ国に残留するエルディア人は「腕章」を付けることを義務とし収容区で暮らしています。

巨人大戦

「始祖の王」を継承した145代目のフリッツ王がエルディアの均衡を保つ役目を放棄し、島へ逃亡したことから敗戦した。

始祖の巨人

1011

全ての巨人を支配し操ることのできる力を持つ巨人。
145代目フリッツ王が継承しており、パラディ島に三重の壁をつくったとされる。

民族浄化

民族浄化

「巨人の力」を持ったユミルの民(エルディア人)は、他民族の土地や財産を奪い、強制的に子を産ませ1700年間にも渡り民族浄化を行った。
この民族浄化によってエルディア人は”穢れた血””悪魔の末梢”などと迫害される由縁となっている。(マーレ国歴史文献の情報)

パラディ島/楽園

壁の外の地図

『巨人大戦』に敗戦した145代フリッツ王が三重の壁を築き逃亡したエルディア帝国の国土。
エレンたちが暮らす「壁内の世界」はパラディ島に位置しており、壁外に彷徨う巨人らには、マーレ政府より「楽園」送りの処分対象となったエルディア人も含まれる。

また、パラディ島には莫大な化石燃料が埋蔵するとされていることから、マーレ国から征服の対象となっている。

マーレの戦士/名誉マーレ人

マーレの戦士の条件

パラディ島を征服するべくマーレ政府がエルディア人から集った戦士。
マーレ国の管理する「七つの巨人」を継承する器として、5~7歳の健康な男子女子から選抜された。

「マーレの戦士」となる一族には、マーレ国で自由が保証される「名誉マーレ人」の称号が与えられる。

レベリオ収容区

マーレ国監視下、エルディア人を収容している区域。
エルディア人収容区は1ヶ所だけでなく、マーレ大陸各地に存在する。

「レベリオ収容区」にはイェーガー一家やエルディア復権派のメンバーらが暮らしています。

先の展開が知りたい方はこちら