進撃の巨人ネタバレ114話のあらすじと考察
© 諫山創・講談社/「進撃の巨人」

『進撃の巨人』第28巻 ネタバレ114話
タイトル「唯一の救い」

別冊少年マガジン3月号(2019年2月9日発売)のあらすじ感想と考察まとめ・感想所です。
未読の方はネタバレ回避してください。

「進撃の巨人」ネタバレ114話のあらすじ感想と考察まとめ

前回までのあらすじ

マーレ産のワインには ジークの脊髄液が含まれていた-
ジークの叫びと同時に、身をもって策略を知ることとなったパラディ勢

仲間たちの波動を感じながらも覚悟を決めたリヴァイは、巨人たちを斬り伏せてジークを捕獲します

一方、ジークと約束を交わしていたエレンは、イェーガー一派とともにシガンシナ区を占拠
フロックは訓練兵達にキースを粛清させ、イェーガー一派へと先導します

その頃リヴァイに拘束されたジークは、失った眼鏡から「クサヴァー」と呼ばれる男との記憶を思い浮かべていた

果たしてジークの真意は明らかになるのだろうか…?

今月の一問一答

今月の一問一答

Q:兵長は銃の腕前も最強レベルですか?
A:「何だかできちゃうんですが、銃は武器としてあまり信頼しておらず、刃物に信頼を置いているみたいです。」

「進撃の巨人」ネタバレ114話「唯一の救い」<感想と考察まとめ>

現在公開可能な情報と考察ポイントまとめ

  • トム・クサヴァーは獣の巨人の前任者
  • ジークの真意はエルディア人の安楽死
  • 「始祖の巨人」はユミルの民の体の構造を変えられる
  • ラーゴの惨劇
  • リヴァイは生きているのか

トム・クサヴァーとの出会い
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」第28巻114話

■ トム・クサヴァーは獣の巨人の前任者

トム・クサヴァー

  • 獣の巨人の前任者
  • 本業は巨人学の研究者(マーレ政府 巨人化学研究学会)
  • 妻子への贖罪、巨人の記憶を探るために「獣の巨人」を継承
  • ジークを亡き息子と重ねていた
  • ジークが両親を告発したのは、クサヴァーの助言に先導されたため

トム・クサヴァーの眼鏡
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」第28巻114話

「進撃の巨人」第22巻87話にて登場していた、眼鏡の男性とジークの関係が明らかとなりました。

フルネームはトム・クサヴァー。
「獣の巨人」の前任者で、本業は巨人学の研究者です。

第88話にて、クルーガーが話していた「マーレ政府 巨人化学研究学会」の研究員と思われます。

政府の公的学会とされる「巨人化学研究学会」に関しては、未だその存在は謎に包まれていますが、エルディア人のクサヴァーに対してマガトが敬語を使っていたことから、軍事研究の学者として特別な権威を有していることが分かります。

復権派ともマーレの思想とも相容れなかったジークにとって、思想を超えて息子のように接してくれるクサヴァーは救いであり、恩師であり、父親であり、「生まれてこなければ苦しまなくてよかった」という反出生主義の考えを確信させた存在でもあります。


始祖の力を使い子孫を消滅させるジーク
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」第28巻114話

■ ジークの真意はエルディア人の安楽死

そして今回の回想から、ジークの真の目的が「エルディア民族の絶滅による救済」であることが明らかとなりました。

 終わりにしようと言うジーク
「進撃の巨人」第19巻77話「彼らが見た世界」より

巨人の力を持つエルディア人を絶滅させ、呪われた歴史を終わらせる-

そのために「始祖の巨人」の力を奪還し、子供を作れなくすることでユミルの民を絶滅させて苦しみから救い、この世界を巨人の脅威から解放したいと考えていたようです。

産まれてきたことを否定される
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」

これまでのジークの言動から、ジークはエルディア人の「存続」ではなく「滅亡」する道を選択しているのではないかと想像していましたが、世界から民族の絶滅を望まれ、産まれた時から迫害を受けてきたジークにとって「死」は救いであり、悲劇の連鎖を断ち切る唯一の解決策だったという訳です。

ジークの思想は極端過ぎて同調できませんが、残酷な世界で死を望むことが悪とも断言できないですね…。

そしてジークを「神」と崇めるイェレナも、これまでの言動を振り返ると「エルディア人の滅亡によってユミルの呪いから救う」というジークの思想を存知した上で賛同しているように思えます。

エレンの真意
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」第25巻100話

エレンの真意とは?

ジークの真意は「エルディア民族の絶滅による救済」と判明しましたが、エレンはジークの思想に賛同しているのでしょうか?

これまで自由を求めて戦ってきたエレンが、滅亡することで救われるという「安楽死」を受け入れるとは到底思えません。

とはいえ、エレンはジークを騙している訳ではなく、ジークやミカサ・アルミン達「エルディア民族全体を巨人の力から解放したい」と考えているのではないでしょうか。

100話のヴィリーの演説シーン
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」第25巻100話

上記描写の構図からも、エレンとジークは「エルディア人を巨人の力から解放したい」という到達点は共通していますが、その解決策が民族の「存続」「滅亡」で相反しているように見受けられます。

マーレ編で描かれてきたパラディとの様々な対比構図は、生い立ちや境遇の違いから異なっていく思想形成を示しており、エレンとジークの対照的な思想に行きついているように感じられますね。


始祖の巨人の力
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」第28巻114話

「始祖の巨人」はユミルの民の体の構造を変えられる

  • 600年程前に流行り病で世界の人口が激減、ユミルの民はある日を境に病にかからなくなった
  • 「始祖の巨人」は、ユミルの民の記憶改竄、体の構造を書き換えることができる

遺伝子の改変ができるとは、これまたとんでもない設定が登場しましたね。

「始祖の巨人」はもはや神にも等しい力を自在に操れるわけで、使い方次第では脅威でしかありません。

ですが「始祖の巨人」の力で子供をできないように書き換えられるなら、ユミルの民が巨人化しないように設計できないのか、という疑問も浮上します。

もし「始祖の巨人」の力でユミルの民を巨人の力から解放できるなら、145代フリッツ王がすでに行使していると思われますが、何か改変できない理由があるのでしょうか?

もしかしたらエレンは「全ての巨人を駆逐する設計方法」を見出せたのかも知れませんね。

進撃の巨人エンドオブザワールド
© 2015 映画「進撃の巨人」製作委員会 ©諫山創/講談社

因みに実写映画「進撃の巨人」では、エレンに兄がいる設定など原作での重要な謎のヒントが隠されていることで当時話題となっており、巨人は兵器開発のための遺伝子変異という設定もありましたね。

やはり、巨人は人間が造り出した兵器なのでしょうか…?

▼ 巨人の考察に関しては、こちらもご参考ください


マーレの歴史文献
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」

■ ラーゴの悲劇

今回イェーガー爺がジークを教育する場面にて、新たな歴史文献が登場しています。

この1200年前に起きた「ラーゴの悲劇」「モンテの惨害」「ヴァレの惨禍」の描写とエピソード、ご覧になった方は2017年4月~に放送された「進撃の巨人Season2」エンディングの映像が浮かんだのではないでしょうか。

進撃の巨人Season2ストーリーボード
▲「原作:諫山創描き下ろしEDストーリーボード集」の一部

そして「原作:諫山創描き下ろしEDストーリーボード集」の制作メモの内容とまさしく一致しますね。

これまで作中で明かされていた「エルディア帝国が大国マーレを滅ぼした」という歴史の一部が「ラーゴの悲劇」だと言うことが、たった2コマで解説されるとは驚かされますし、今なら塗りつぶされた箇所も理解できます。

諫山先生、素晴らしい答え合わせをありがとうございました…!

※「原作:諫山創描き下ろしEDストーリーボード集」は、「進撃の巨人Season2」Blu-ray&DVD Vol.1の初回特典に付属しています。

空を舞うリヴァイ
出典:諫山創・講談社/「進撃の巨人」第28巻114話

■ リヴァイは生きているのか?

至近距離での雷槍の爆破!

ショッキングな爆発シーンに、ジークの回想も吹き飛ぶほど衝撃的でしたが、ゾワッと危険を察知する描写、爆発直前にジャンプするような体勢をとっているなど様々な要素から、ミカサがザックレー芸術死の際(第27巻110話「偽り者」)危険を察知して回避したように、間一髪で避けて自分から飛び離れたのではないかと思われます。

立体機動を使える地形ではないため、そのまま川に落下し、ジークとは一旦離れる展開になるのではではないでしょうか。

爆発を回避するリヴァイ


ジークの猿のぬいぐるみ

■ おまけ

余談ですが、自決した妻子の亡骸の横に散らばる遊具に、ジークが幼少時代に遊んでいた「猿のぬいぐるみ」が転がっていましたね。

血に染まった野球ボールを拾い上げるクサヴァーの描写も、より深い心情を訴えられているようで、胸に迫りくるものが感じられました。

もう漫画という枠を超えているというか、魅せ方が秀逸すぎて神がかっていますね…。

クサヴァーは町山さんがモデル

ついでにもう一つ、
クサヴァーさんは、諫山先生が敬愛する映画評論家の町山智弘さんがモデルのようです()

漫画全巻のあらすじはこちら


© 諫山創・講談社/「進撃の巨人」